知能機械工学科 知能機械工学科
学びの特色
「知能機械」とは?
機械は、人の手で行われてきた作業を担うようになった産業革命の時代から科学技術の革新とともに発展し、20世紀後半の自動化を経て、今や自律化が目指されています。ロボットや人工衛星、自動車、エアコン、巨大なプラントなど、自律化が期待されているあらゆる機械装置・設備は知能機械であるといえます。
「機械設計技術者」を育成
本学科の目的は優れた機械設計技術者の育成。機械の発展の歴史に不可欠であった、また、高度な情報技術社会においても「色褪せない原理」である数学・物理学・四力学*および電磁気学について徹底した教育を行っています。
*流体力学・機械力学・材料力学・熱力学
学修・研究領域
四力学(機械基礎学)
機械工学を学ぶ上で必要となる「流体力学」「機械力学」「材料力学」「熱力学」の修得
知能機械設計学
CAD・CAM・CAEの修得と「安全に使用できる機械構造物」の学修・研究
知能生産工学
「モノづくりの原理原則や方法論」の学修・研究
知能計測制御工学
「機械の動きを検知し制御する方法」の学修・研究
ピックアップ授業
この授業の醍醐味は「自分たちで橋をつくる」こと。模型の橋とはいえ、企画・設計から完成までの一連の工程は実際の現場さながらです。それにあたって、授業計画の前半では、モノづくりの基本となる「モノを削る」体験をはじめ、工作機械を動かすプログラムの作成、CAD操作(強度の計算など)を学修します。
過去の授業動画
研究VOICE ~ 4年生に聴きました。
インジェクタの針弁開度がディーゼル噴霧液滴の分裂挙動におよぼす影響
出力が高く耐久性に優れるディーゼルエンジン。替えのきかないものとして船舶や大型自動車、農業機械などに採用される一方で、環境負荷低減といった課題にも直面しています。ディーゼルエンジンにおいて、インジェクタからエンジン内部に直接噴射された燃料は噴霧を形成し,燃焼します。私の研究は、噴射直後の“燃料の粒”、つまり燃料噴霧液滴を計測し、液滴の分裂過程を評価しようとしています。L2F*を用いることで、これまで計測が極めて難しいとされてきた、燃料噴霧内部の個々の液滴を計測することに挑戦しています。実験から有用なデータを取得し、より予測精度の高い数値シミュレーションの噴霧モデルの構築を目指しており、ディーゼルエンジンの燃費向上や大気汚染物質の排出低減、次世代ディーゼルエンジンの開発などへの貢献が期待され,より良い未来を創ろうと日々研究を進めています。
*レーザー2焦点流速計。2つの焦点間を通過する液滴の速度とサイズを計測する。液滴が密集した噴孔近傍の個々の液滴を計測できる。駒田准教授と共同研究者により独自に開発された。
先輩たちの卒業研究の主なテーマ
- 液状PDMS中レーザーアブレーション現象の高速度撮影 ―複数照射の影響およびYAG:Ce粒子の発光撮影―
- 面内揺動加圧における揺動条件と加工特性
- 電空ハイブリッド超精密鉛直位置決め装置の力センサレスでの力制御
- 局所体積平均勾配・発散定理の検証
- ピコ秒パルスレーザを用いた超硬合金に対する微細・平滑化加工 など
取得できる資格
機械加工、設計関連の有用な資格取得を
独自講座で積極的に支援
学科保有の工作機械設備やCADシステムを活用した講習などを実施し、学生の資格取得を後押し。特に技能検定においては高い合格率を誇っています。
取得できる教員免許状
- 高等学校教諭一種(工業)
取得を支援している資格
- 機械保全技能検定
- CAD利用技術者
- 機械設計技術者
※「取得できる資格・教員免許状」は所定の単位取得が必要です。
※上表の資格は2022年度実績です。
就職実績
就職先一覧 過去3年間の主な実績
※50音順。企業名は採用当時の名称、また、法人格は省略。
- アクセンチュア
- 旭化成
- 荏原製作所
- 九州旅客鉄道
- 西部ガス
- JFEスチール
- スタンレー電気
- 積水ハウス
- 西日本旅客鉄道
- 日産自動車
- ハウス食品
- 安川電機
カリキュラム表
大学院 知能機械工学専攻
現代社会を支え、担うモノづくりの旗手として
次世代のモノづくりを担う技術者・研究者の育成を目指し、知能機械基礎学・知能機械設計学・超精密加工学・計測制御工学の4授業科目区分を設置。「高度に知能化された機械」を設計し、現代社会を支える人材の育成を行っています。